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「あれ、菅野くんだよね?」


「お久しぶり」


中佐都とずっといつまでも一緒にいようねって話をして、何ヶ月かたったある日、俺は先生のもとに顔を出した。

彼はカウンセラーとかいう人の悩みを聞く仕事をしている人だ。

俺が、自分の殻に閉じこもる前からの知り合いだ。
出会いはただ合い席して何だか話がはずんだのがきっかけで。


「どうしたのかな、元気そうって言うか、なんだか、僕も元気になるような顔をして、ここにきてくれるなんて」


似合わない白衣なんて着て先生は俺を見上げた。


「ありがとうって伝えたくて…」

「菅野くんが、僕に!?」

大きく瞳を開いて、口に手をあてて、古い驚きのポーズみたいなことを素でやるこの人は本当に可愛いと思う。

小雪に似ている。


……そうか、
俺が小雪に優しくあろうとしたのは、この人のせいかもしれないな。


「はは〜ん、さては恋人が出来たな、この野郎」

幸せそうに、先生は笑った。
自分のことじゃないのに、本当に幸せそうに…

「うん、とっても可愛い恋人ができたよ」

「わぁ嬉しなー」

赤飯食べたのー? とか先生は楽しそうに聞いてくる。

俺は「それはまだだ」と答えて置いた。






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