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……
求めて壊してきた。
確かな言葉を俺はいつだって欲しがって、
大切なはずの人を困らせてきた。
後悔した。
聞いた自分に、期待していた自分に。
だから、俺は、もう、
誰にも何も求めないで、いようって、
思った。
それからの世界は色をなくしたな。
つまらなくて、息苦しいとさえ、感じた。
今度は、
別の不安を俺は見つけてしまった。
そんな時、先生は俺のことを心配してこう言ってくれた。
『じゃあ、勉強してみたらいいと思うよ』
『菅野くんは考える力と悩む力があるから、
きっと勉強したら、最強じゃないかな。
そうしたらさ、少しは和らぐと思うよ?』
『現状に満足できないなら、手をのばしてもいいかな?』
『あれ、前と言っていることと違うって?』
『あはは、僕も、人間だからね、ちょっとしたことで
考えかた変えちゃったよ』
『でも、菅野くんのこと大切に思うことに変わらないよ』
……
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