5
お昼休み、俺は弁当を持つと屋上に向かった。
正直、教室は俺の気持ちによくない。
朝から、みんなして、中佐都をいじって遊んでいる。
それをとめてしまいたい俺ってどうかしている。
「あ〜菅野くん、僕も一緒にお弁当いいかな〜?」
「好きにしたら」
俺は北王子の方を向かずに答えた。
「うん、好きにするよ、言われなくても」
「ああ」
「菅野くん、大丈夫?」
「え? 何が?」
「一樹のこと、平気?」
「平気ってどういうことだよ、中佐都が嬉しそうに笑っていたら、それでいいんじゃないのか?」
「へぇ、そう見えた?」
凍えそうな瞳で、北王子は俺に言った。
俺はその言葉の意味がわからかなった。
だって、中佐都、あんなにも…
「楽しそうには、してなかった…あれ?」
「そうだよ、菅野くん」
考えてみれば、冷静に考えてみれば、中佐都、俺と北王子に見せるような笑顔は出さない。
「一樹はね、ああなるの、苦痛なんだよ?」
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