教室に着くと、俺と中佐都の周りに人が寄ってくる。
正直、俺は怖くてたまらない。

「なんだ、中佐都って、人間嫌いかと思っていた」
「本当だな、普通にいい奴だったんだな」
「俺、ずっと見下されているんだと思っていたよ」

先入観があったからだろうか。
クラスメイト達は少し中佐都と話しただけで、ころっと目の色を変えて口々にそう言った。

中佐都は照れた顔をして、どうしたらいいのか、分からないといった顔で、
「そんな、俺が、誤解されるようなことしてたから」
優しいこと言われたら…とか言う。


瞬間、時間がとまった。


「ごめん、本当今まで誤解していて」
「俺、嫌味な奴だと思っていた、許してくれぇえ!」
「北王子、菅野、どうして、中佐都はこんなやつだって言ってくれなかったんだ!」

急に話を振られても俺は、自分の感情を抑えるので精いっぱいだった。
でも、北王子は軽く笑うと可愛らしく「だって、僕が言わなくても、一樹いい人だから、みんなすぐに気がついてくれるって思っていたから…ごめんね。僕、ちゃんと自力で気がついてほしいとか思って…」と嘘泣きをする。



また、瞬間的に、時間はとまった。



なんて簡単なクラスメイト達なんだろう。






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