「菅野…?」

え、なんでなんだ、といった心の疑問が聞こえてきそうな声で中佐都は俺の名前を呼んだ。

「おはよう」

俺はあえて朝の挨拶だけをした。
すると中佐都は「おはよう…あのさ、どうしてここ?」と聞きにくそうに言葉を紡ぐ。

「ああ、北王子に連れてこられた」

「小雪が?」

「そうそう、二人で行けってことかな…学校」

「なんで、小雪、は、こないんだろう」


「え?」


「いつも一緒だったのに…」

俺の断りもなくて、どうして、だろうって中佐都は寂しそうな顔をした。
そりゃあ、北王子は中佐都にとって大切な友達だって俺は知っている。

だけど、だけど、気にくわない。
胸のなかがどろりとした。

これは嫉妬だ。


「さぁな、何か、今日は用事でもあったんじゃないのか」

今、中佐都は俺といるのに
どうして、中佐都は北王子のこと、
考えているんだろう。






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