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=中佐都side=
俺を優しく菅野は抱きしめてくれているけど、俺はそっと菅野から離れた。
「これ以上好きになるとやばいから」
あんまり優しくしないでくれと俺は言う。
すると菅野はやばくなっても俺は責任を取るからと笑う。
「責任って…」
そんな、たいそれたこと…
「うん、それ以上に俺は中佐都のこと好きになるし大丈夫」
「な、なんだよ、それ…それって答えか?」
「違う、要求しようと思って」
「要求って…」
「俺が、これ以上好きになってやばくなったら、中佐都も俺のこと好きになってくれるかなって同じくらいって、遠まわしに言おうとしただけ」
「…自信、持てよ」
「え?」
「俺、菅野が好きだって、言った」
「俺だって、好きだって言ったよな?」
「あぁ」
「じゃあ、中佐都も自信持ったらいいじゃん」
俺は一途過ぎて大変なタイプだけど、本当に一途だから。
と菅野は笑う。
「指切り」
俺は小指を菅野の方につきだした。
自信の在りか、そんなものはわからないけど。
きっと、この関係は壊れないんじゃないかなって、思った。
俺と、菅野。
二人なら、壊れないんじゃないかなって。
「約束だよ?」
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