７
１年生の最初の学年テストからしばらくは、中佐都のことで、みんなざわめいていた。
別にそんなこと、俺の知ることじゃないのに、心臓がチクチクした。
仲間意識があったかと言われたら、素直に認める。
あの時の俺は、クラスに一人だった。でも中佐都も一人だった。
同じだった。
俺、一人が、一人じゃないんだと思った。
変な話だ。
結局、一人に変わらないのに、一人でいるのが、自分だけじゃないと思えて、救われていた。
そう、だから、俺は、不器用で上手く進めないけど、クラスの中に入りたいと思っている中佐都に気がついた時、裏切られた気がした。
何の約束もしていないのに、俺は心のどこかで、ずっとこうやってのんびりとした感じでいられるんだと思っていたんだ。
俺は一人でも一人じゃないんだと。
でも、でも、でも…
徐々に中佐都に話しかける奴とかいて、焦った。
俺は本当に身が持たないかと思った。
中佐都が欲しい。
きっと、俺は不公平だと思っているんだ。
自分ばかり中佐都のこと意識しているのが嫌なんだ。
じゃあ、どうしたら君の視界に入ることができるのか。
俺は、とんだ、馬鹿だった。
いろんな感情をごたまぜにして、自分でも何をしているのかわからないくらいに、がむしゃらに、中佐都の瞳に映りたいと考えていたんだ。
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