キスしてもいい?

菅野はそう言った。


俺は突然のことに声が出なった。
意味がわからない。

どこからどうしてそんな言葉が出てくるのか。
またどうしてそうなるのか。


俺は必死に首を横に振った。

菅野は「どうして?」とささやく。

俺は「小雪は?」とたずねる。


そうだ、菅野は小雪と付き合っているんだろ。
おかしい。そんな話になるの、絶対におかしい。


でも、
俺は菅野がほしかった。


「菅野、優しくしないでくれ」

俺にそんな価値はない。
なのに、俺の心ひそかな祈りをかなえようとしないでくれ。

俺はそっとしておいてくれたら、きっと忘れられる。

だから、キスしてもいいとか聞いてほしくないし、もう、そばにいてほしくもない。


「小雪のところに、帰れ!」

「中佐都…」

「人の気持ちも知らないで、からかうな!」

「俺、北王子とは別れた…」

「え?」

「後、中佐都の気持ちも知らないから教えてほしい」






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