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「そっか」
菅野はそう言ってから笑いだした。
なんて寂しい笑顔なんだろう。
…これ、俺はよく見ていた。
遠くからでわからなかったけど、いつも、菅野はみんなの中心でそうやって笑っていた。
「…菅野?」
「う、何?」
「俺、菅野に、今悲しいこと言った?」
「え?」
「だって、今、辛そうに、笑ったから、俺、何か…」
何か言ってしまっただろうか。
俺は、無神経だから、
よく人の嫌がること言ってしまう。
昔もそうだったな。
よく、母を怒らせたものだ。
小雪に出会えて、両親が離婚して、それからは
だいぶ、そんなこともなくなったんだが。
それは単に俺が誰ともたいして関わらずにいたからにすぎないと思う。
だから、今、こうして、菅野と話しているのは嬉しいけど、
嫌われてしまうんじゃないかって怖い。
「わりぃ、ただ、中佐都は、心にもないことするんだなって」
「え…俺、は、心にもないことはしない」
だから、周りと上手くいかないのかもね。
「え、中佐都、じゃあ!」
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