プロローグ5




もとには戻れないと俺は知っていたのに…
俺はいつも願っていた。

あの日に帰りたいと、願っていた。


どうしようもないのに、
どうしようもないのに。


どうにも、できないのに。


こんなんじゃないって、
もしももしも、歯車が狂わなかったら、俺は、今どうしているだろうかとか。
もしもああだったらどうだっただろうかとか。

永遠の問いかけの中で、俺は何を見つけられたのだろう。


何を見つけられるのだろう…


過去に思いをはせても
人のことに焦がれても

虚ろなだけ。

俺は…



『明日は何か変わるかもしれないだろ?』



そんなことを口にしても、

自分の中から何かが消えていくようにしか、思えなくて。


でも、俺のこと君は必死に心配してくれている。


それが嬉しかった。






[*前] | [次#]
目次に戻る→


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -