１５
＝中佐都side＝
素直になることが怖い。
手を伸ばすことが怖い。
現状に満足することがとても大切なことだと本当は知っている。
辛いことがあっても、それが全てじゃないんだから、
幸せごと全て受け入れるのが筋だって分かっている。
なのに、俺はとても欲張りだ。
欲張りなんだ…
「え…？」
ここはどこなんだろう。天井、見覚えがない。
「え？」
誰かが俺の手を握っている。誰？
顔はうつぶせていて見えないけど…
小雪じゃない。
菅野？
いや、そんなはずがあるわけがない。
菅野は今ごろ小雪と仲良く、なか…よく、手でも握っているんじゃないかな…
「…ぅ」
なんで、俺が泣いているんだろう。
みんな幸せなのに…どうしてこんなにもこんなにも遠い。
「みんな、には、笑って…いて…」
ほしいのに…
それだって俺の幸せだ。
明るい明るい楽しい笑顔が溢れている。
そんな素敵な世界、望んでいるのに…
なのに…な…
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