13
あれから3分。
中佐都は目をさまさない。
眠っているだけにも見えるけども…どうなんだろう。実際のところ…
俺は不安になって、
とにかく誰かに連絡を取ろうと考えた。
このまま中佐都をここに寝かしておいていいのか?
もしかしたら、持病か何かか?
俺は何も知らない。
中佐都のこと、知らないから、わからない。
とにかく、北王子に連絡を取ろうと考えて、
携帯を探したが、ポケットに入れていなかった。
鞄の方に入れているのかと思って、俺は入り口付近にほったらかしにしている鞄を見つめた。
「とお…」
小さな愚痴を吐き出しながら、俺は立ち上がった。すると、中佐都が、俺の服の裾を握った。
「!」
無意識だってわかっていた。
だけど、俺は、それに、ムラっとして、首を振った。
違う、俺は君を傷つけたいと思っていた。
でもさ、最後には笑ってほしいんだ。
笑ってほしい。
だから、野蛮なことを…したら、いけない。
消えない傷は…癒えない傷はつけたら…いけない。
「落ち着け、俺」
落ち着くんだ、落ち着くんだ。
ドクドク波打つけど、これは何かの、間違いだから。
きっと、大丈夫だから…っ
[*前] | [次#]
目次に戻る→