切替・4
『なんとなくそんな気がしていたから、ミチユキを田辺にあげる』
「あげるってなんだよ、俺、そんなことされても困るんだって…」
『好きなのに、そばにいたいとか思わないの?』
「辛い時もあるんですよ…?」
『ああ、それはごめんね、でも、ミチユキも田辺のこと好きだと思うから、大丈夫だよ?』
「…え?」
『だから……
プツン…と神さまの声が消えた。
え?
俺の手から携帯なくなっている。
何、なんで?
「田辺、ごめん、つい、壊しちゃった」
にこやかにミチユキは笑いながら、俺の携帯を握っている。
どうして、そんなことすんだよ、ミチユキ。
俺、それじゃあ、どうやって、天界と連絡とるんだよ?
「あ、これじゃあ、田辺、天界と連絡とれないな。ごめん、責任もって、俺が田辺と神さまの仲介人になる」
「え、本当、よかった、連絡とれないかと思って焦ったよ…」
ああ、よかった。
「ありがとう、ミチユキ」
「お前…馬鹿か?」
「え?」
なんで、ミチユキは頭を抱えているんだろう。
わからないや。
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