切替・1
=田辺side=
俺の名前は田辺。いちお天使。
なんでも神さまが言うにはこの人って決められた人間を幸せにしたら、一人前の天使になれるんだって。
そして、一人前の天使には願い事を一つだけ叶えてもらえる権利がある。
「信じられるかって、天使言われても、俺、メルヘン思考ないねん」
今回のターゲット。
たこ焼きは三度のご飯よりも好きとかありえへんから…とかいうのが座右の銘な彼、富田チトセの前に俺は降り立った。
こうして、みると、前回の和幸の時は簡単にいったなーと思う。
「いや、そんな、でも、本当のことで…俺は、チトセを幸せにしたくてここに来たんだ」
俺は警戒心むき出しのチトセに笑いかける。
「信じひん。天使っていうのは、頭に輪っかがあるもんやろ?」
チトセはそう叫んだ。
俺は、これには敗北した。
「…わかった出直してくる」
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