追跡・2
「ミチユキ、今度は天使を幸せにしてほしいな、俺」
「え?」
なんで俺がそんなめんどくさいことしないといけないんだよって、ミチユキは口にしました。
だから、俺は笑って言います。
「ミチユキに銘じます。田辺を幸せにしてあげてください。異論は認めません」
「え、はい、言われなくても、そのつもりです。神さま」
「あはは、そっかそうだよね」
「ああ、その通りだ」
「じゃあ、行ってきてよ、えっと、今度はミチユキの姿、田辺にしか見えないようにしといてあげる」
「ちょっとその意味がわからん」
「…いつか…わかるって」
俺はミチユキの背中を押しました。
「わ、ちょっと、神さま?」
「いってらっしゃい」
「うわぁああ!」
「あ…」
俺は無理やり、ミチユキを地上に続く穴に飛ばしたけど、なんか、ちょっとやってしまった感がありました。
まあ、天使は死なないし、大丈夫。
大丈夫ですよね、ミチユキ?
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