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=倉木side=


僕は…何をしているんだろう…
痛い腰をかばいながら、寝返りを打った。

「…………」

近くに先生はいなかった。
不安になる。

どれだけ先生に好きだと言われても、抱きしめられても、
僕は信じられずにいる。

悔しい。

もっと僕は素直になりたいのに…どうしてなれないのだろう。

ちゃんと聞こうと思っていたのに、怖くなって、
結局僕は、聞けなかった。


昨日のお昼休み、図書館で佐藤先輩と仲良さそうに話していたこと…


ううん、僕がそんなこと聞くのおかしいかもしれない。

蓮見先生の自由じゃないか。
何処で誰と一緒に笑っていても、僕が、何か言うことないじゃない。

なのに…
心の中、ぐちゃぐちゃして、怖くて怖くて

いつか先生は僕から離れて行くってそんなこと考えて、
信じられる何かが欲しくて、温もりが欲しくて、

ちゃんと僕の話を聞こうとしてくれた先生の気持ちを踏みねじった。

……こんな、自分、嫌い。


「蓮見…先生…」






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