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「え…?」
真夜中、二人ブランコに座って、俺は小雪に倉木とのことを話した。
すると小雪は信じられないといった顔で俺を見つめる。
「ごめん…急にこんな話…」
でも俺は小雪なら聞いてくれると思って…
「ふざけんな!」
「え…っ」
急に小雪が叫んで、俺は驚いた。
「なんで僕にそんな話するんだよ!?」
「……ぇ」
「え、じゃない!」
小雪は、ブランコから降りると俺の前に立ち、じっと俺を睨んだ。
まっすぐ過ぎる瞳は苦手だ…
「目をそらすな!」
「小雪…?」
さっきまでの迫力をなくして、君は泣いた。
「賢也、僕は賢也の話も悩み事も、いつだって聞くよ。でも、その話は僕にしたって意味ないよ…。ちゃんと倉木くんに言わないと…ダメだよ…」
「………」
「素直に言えばいいと思うよ。ちゃんと言わないとダメだよ。言葉なくて、伝わらないことたくさんあるんだよ。誤解されてしまっても知らないよ?」
「でも…」
「でも…じゃないよ…」
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