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「どうして?」

倉木は捨てられた小犬のような瞳をして俺を見つめる。
俺は君を捨てたわけじゃないのに。

「どうしてって…」

それはこっちが聞きたいくらいだと俺は言った。

だって、そうだろう。

どうして急にそんなことになる。
俺だってそりゃ…抱きたいけどさ…


「無茶苦茶にしたいけど…!」

「しても、いい…よ?」

「やめてくれ!」

俺は嫌だ。
止められなくなる自分が怖い。

愛しているからってその気持ちを全部君にぶつけたら、君はきっと壊れてしまう。
俺は…知っていたはずだ。


人は本当の意味でわかりあえない生き物だって。


「倉木、まだ身体辛いだろ…?」

あの日、俺は君をひたすら抱いた。

「大丈夫…」

相変わらず、君の顔色は悪いままだ。

「まだ、痛いんじゃないのか?」

俺はわからない。
痛みや何かを伴ってまでも、つながる必要はあるのか。






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