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「わからねぇー」

自宅に帰ってすぐにリストカットの本を読んでいるんだが、俺には到底わからん。

「切ってみるか、実際」

投げやりになった俺は、自分の手首を見つめた。
いや、切ったって、どうにもならないだろう。
俺が知るべきは切る痛みじゃなくて、そこにたどり着くまでの葛藤だ。

「ふぅーあ」

頭パンクしそう…
なのに、何も思いつかない。

ただ本の知識と倉木の傷と分かり合えない寂しさばかりここに募る。

やばい、泣きたい。
泣いたって何も解決するわけじゃないのに。

感情のままに泣いて零に戻りたい。


こんなにもぐちゃぐちゃな気持ち…
どうしたらいいのか…わからない。


俺はただ倉木のこと知りたいだけなのに。
誰よりも君のそばにいたいだけなのに。
幸せにしてやりたいのに。


ああ、本当に無力だ…






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