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なのに、倉木は不安そうに俺を見上げて「無理しないで…」と言った。

確かに俺は今の状況についていけなくて、若干、強がって前向きにみせたけど、

無理はしていないつもりだ。


なのに、倉木は不安そうに俺を見上げて「わからない」と言った。

それは俺も同じだ。

わからない。


ただ寂しいというか、空虚感だけはここにあるのに、
現実だけはここにあるのに、
心が、どこかへ消えて行くようで…
次に倉木になんて言えばいいのか、

倉木のためにできることはなんなのか…
たくさんたくさん想うことはあるのに、
全くもってまとまらないし、
伝えられない気がしてならない。

「今日、先生の家に…行ってもいいかな?」

「え、いいに決まってるだろ!」

俺は突然の倉木の言葉に身体が跳ね上がった。
よかった…倉木は俺を避けていない。

俺を必要としてくれている。

よかった…






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