14
花壇の死角になり、なおかつ、ここから花壇が見える場所に俺は潜んだ。
何をしているんだろう。
どうしてこんなにも胸が痛むんだろう。
焦るんだろう。
俺は花壇のところに座る二人を見ていた。
何を言っているのかまではわからない。
だけど、小雪が倉木の手を握った時、俺はショックだった。
わかっているんだ。
変な気持ちはそこにないって。
なのに、ショックだった。
焦る。
小雪が何か言い残して手を振って、二人は別れて、
でも、倉木はしばらく、紙みたいなものを見つめて、微笑んで。
それをポケットになおして、また微笑んで。
悔しいって思ったのが自分でもわからない。
倉木は俺のこと好きだって言ってくれたんだ。
俺のこと受け入れてくれたんだ。
なのに、どうして、こんなにも、俺は不安がるんだ。
情けない。
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