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花壇の死角になり、なおかつ、ここから花壇が見える場所に俺は潜んだ。

何をしているんだろう。

どうしてこんなにも胸が痛むんだろう。
焦るんだろう。

俺は花壇のところに座る二人を見ていた。


何を言っているのかまではわからない。
だけど、小雪が倉木の手を握った時、俺はショックだった。

わかっているんだ。
変な気持ちはそこにないって。

なのに、ショックだった。


焦る。


小雪が何か言い残して手を振って、二人は別れて、

でも、倉木はしばらく、紙みたいなものを見つめて、微笑んで。

それをポケットになおして、また微笑んで。



悔しいって思ったのが自分でもわからない。



倉木は俺のこと好きだって言ってくれたんだ。

俺のこと受け入れてくれたんだ。

なのに、どうして、こんなにも、俺は不安がるんだ。


情けない。






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