13
=蓮見side=
父は言った。
綺麗なものは綺麗に残しておきなさいと。
じゃないと、綻びが出来ると。
俺はその意味が今わかった気がした。
「…倉木?」
なんとなく廊下から外を眺めて歩いていると、倉木の姿が見えた。
朝から、校舎とは違う方向へ何の用事だろう…
「え?」
小雪と一緒にいるんだ。
そうか、小雪、花壇すきだったから、きっとそこに倉木を連れて行くんだろうな。
ふぅーん。
ま、俺には関係ないね。
そう、俺には関係ない。
倉木が誰と話をしようと俺には…
「くそっ」
どうしてだろう、胸の中がもやもやして、俺は二人のあとを追った。
朝のホームルームにはきっと間に合う。
だって、倉木も小雪も真面目だから、それまでには解散するはず…
…そんなちょっとの時間、なのに、俺…
どうしてしまったんだろう。
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