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=蓮見side=


父は言った。
綺麗なものは綺麗に残しておきなさいと。
じゃないと、綻びが出来ると。

俺はその意味が今わかった気がした。




「…倉木?」

なんとなく廊下から外を眺めて歩いていると、倉木の姿が見えた。

朝から、校舎とは違う方向へ何の用事だろう…

「え?」

小雪と一緒にいるんだ。
そうか、小雪、花壇すきだったから、きっとそこに倉木を連れて行くんだろうな。

ふぅーん。

ま、俺には関係ないね。
そう、俺には関係ない。

倉木が誰と話をしようと俺には…


「くそっ」

どうしてだろう、胸の中がもやもやして、俺は二人のあとを追った。

朝のホームルームにはきっと間に合う。

だって、倉木も小雪も真面目だから、それまでには解散するはず…

…そんなちょっとの時間、なのに、俺…



どうしてしまったんだろう。







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