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「俺は、嫌いな奴に話しかけたりしねぇ!」


甘くみるなよって加藤は言いながら、僕の右手をつかんだ…

…あ?


「倉木、どうして、お前は切るんだ…?」

「やっ」

僕は必死になって右手を加藤から隠そうとした。
だって、加藤、僕の、手首の傷跡をじっと見るから。

「力もないのに、抵抗すんな」

「ちょ…や、放して…っ」

「どうして?」

こんなにも綺麗なのに…?
加藤はそう言って、僕の傷口に唇を落とした。


え?
何、これ?

え、なんで?
加藤?

もしかして、消毒?
あれ、でも、もう、傷口はふさがっているし…

え、何これ何これ?


「…ぅん」

急にクチュと吸いつかれて、声が出た。
どんなに僕が右手を引こうとしても、加藤のほうが力が強い。

こうなったら全体重をかけてでも……っ

「うわっ!」

あまりにも加藤から離れようとしたせいか、僕は足を滑らせて、身体が反転していくのを感じた。






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