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僕だって、もしかしたら上辺でしか人のこと…見ていないのかも…しれない。
なのに、北王子は「ちょっとショックだったのは本当だよ…」と言った。
「でも倉木くんがそうやって僕のこと想ってくれたならいいよ」
過去にはこだわらないし、大切なのは今とこれからじゃないかなって。
僕…どうしてだろう。
その言葉にすごく勇気が出た。
そうだよね。
終わったことにくよくよしてないで、これからを考えて行こう。
ちょっと都合よすぎる気もするけど、北王子はそれでいいんだよと笑ってくれたから。
僕は何だか嬉しくなった。
北王子は本当に優しいな…
「あの、それで…話があったんじゃ…」
「え、いや、ごめん。ただ倉木くんが元気なさそうだったから、話しかけちゃっただけ」
ごめんねーと可愛らしく両手を合わせて北王子は瞳を閉じた。
なんて可愛い人なんだろう。
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