存在の価値を探していた
蓮見先生と一夜を過ごした次の日。
腰が痛くて、僕は学校を休んだ。
ひとりぼっち先生の家で、母さんに電話をした。
もちろん、留守電。
とりあえず、昨日から友達の家に泊っていると連絡しておいた。
どうせ心配するどころか気もついていないだろうけどね。
「……っ」
しゃがもうとしたら、腰が痛いことを思い出させられた、
昨日のことを思い出した。
僕たちはあれから何か変わったのだろうか。
蓮見先生は朝、いつも通りだった。
別に今までと変わりたいとか思っていないからいいんだけど、なんていうのかな、僕だけが取り残されたような気持ちになった。
だって、意識しているの、僕だけだったから。
蓮見先生にとったらたいしたことじゃないのかもしれない。
僕にとったらたいしたことなのに。
それが…寂しい。
考えたらダメだなこんなこと。
先生は、僕じゃなくてもいいじゃないかって。
そんなこと。
抱けたら誰でもいいんじゃないかって。
そんなこと。
弱気になったらダメだよね。
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