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結局は家でカップめんを食べることになった。
俺がそっちの方がいいからだ。
決して外が雨だとかそんなことじゃない。
ただ、倉木とのんびりとしていたかった。
二人で…
*****
「先生、いつも、こんなの、食べているの?」
倉木はそう言って、カップラーメンを机に置いた。
「ああ、まぁ…な」
格好つけたいところだが、俺はカップラーメンばかり食べている。
否定するにしても、いい嘘が見つからなくて、適当にそうやって、言葉を濁した。
テレビのお笑い番組の音が遠くに感じた。
「サ、サプリメントとかちゃんととってるし、栄養面は大丈夫だよ」
「そう…」
「倉木、何を言おうとしたの?」
「え?」
「何か言おうとしてやめたときに口ごもるその癖治らないな」
「…っ!」
顔を真っ赤にして、倉木は俯いた。
やばい、可愛い。
「倉木…」
俺は倉木に顔を近づけた。
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