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自宅に帰ると、嫌気がさした。
どうして自分の帰る家はここなのか。
リビングのほうから、いやな声が聞こえた。
玄関の靴からして、オヤジが女をつれこんでいるんだろうね。
俺はそんなことには目もくれず、自分の部屋にこもった。
「ふざけんなよ」
押し殺した声が漏れる。
俺はあわてて、首を振った。
ダメだ、こんなこと考えたら、ダメだ。
何の得にもならない。
何の解決にもならない。
心がすさんで行くだけだ。
そう、心を無にしょう。
そうしたら、楽になれるよな。
教科書を開いて、勉強をする。
俺は親父のようにはなりたくなかった。
もっと賢くなって、進学して、人の役に立てる自分になりたい。
努力は報われると信じている。
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