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=蓮見side=


今晩のご飯を考えた。

そう、どんなに考えても、考えようもないことに気がついた。

「倉木、お前、カップラーメン食べれるよな?」

俺は備蓄のカップラーメンを手に取った。
驚くことなかれ、全4種類の味がそろっている。

だがな、倉木ってカップラーメンとか食べるのなかなって不安になる。


想像がつかないんだ。

倉木にカップラーメンとか…


「やっぱ、こんなの夜飯じゃあれだよな、そうだ、そこのファミレスでも行くか?」

「……よ」

「え?」

「いいよ、そんなに気にしないで」

「気にしないでってお前な」

俺は何処かやるせない気持ちになった。


「もっとこうなんか。ないのかよ?」


いつだって、倉木はどうでもいいと言う。
いつだって、自分のことを大切にしない。

いつだって、我がまま一つ口にしない。


「俺は、倉木のそういうところ、嫌いだ」


つい感情が高ぶってそう言ってしまった。

倉木は小さく「そう」と頷くと、虚ろな目をして、帰ろうとする。

俺は必死に引きとめた。


絶対に勘違いをしている。






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