17
=蓮見side=
今晩のご飯を考えた。
そう、どんなに考えても、考えようもないことに気がついた。
「倉木、お前、カップラーメン食べれるよな?」
俺は備蓄のカップラーメンを手に取った。
驚くことなかれ、全4種類の味がそろっている。
だがな、倉木ってカップラーメンとか食べるのなかなって不安になる。
想像がつかないんだ。
倉木にカップラーメンとか…
「やっぱ、こんなの夜飯じゃあれだよな、そうだ、そこのファミレスでも行くか?」
「……よ」
「え?」
「いいよ、そんなに気にしないで」
「気にしないでってお前な」
俺は何処かやるせない気持ちになった。
「もっとこうなんか。ないのかよ?」
いつだって、倉木はどうでもいいと言う。
いつだって、自分のことを大切にしない。
いつだって、我がまま一つ口にしない。
「俺は、倉木のそういうところ、嫌いだ」
つい感情が高ぶってそう言ってしまった。
倉木は小さく「そう」と頷くと、虚ろな目をして、帰ろうとする。
俺は必死に引きとめた。
絶対に勘違いをしている。
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