13
「うぅん」
寝返りをうつ。
僕は腕の中が寂しくて、抱き枕を探した。
だけど、そんなものは見つからない。
「…う」
……あれ?
僕、いつ寝たっけ。
絵を描こうとしてたんじゃなかったっけ?
で、赤色が、手元になくて…
あれ…?
学校に取りにいって、蓮見先生に会って…
「!」
僕はがばっと起き上った。
瞳を開いたら、見たことのない部屋にいた。
「なんで…?」
「あ、気がついたか、よかった」
「蓮見先生?」
「ああ、俺だよ、そうそう蓮見先生」
「あ、そっか…」
よかった。
知らない人の部屋じゃなくて…
って、あれ、どうして?
「どうして、僕がここに?」
「それは…その…」
「?」
「覚えていないの?」
「…え、と、……あ」
思い出した。
学校の廊下で蓮見先生と会って、それで、また…
あんなことがあって…
それで、途中で怖くなって、意識なくして…ここに?
たぶん、そうだろうなぁ。
うん。
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