10
「倉木、此処もぴんぴんじゃん」
「あ…やめ」
先生は僕の乳首に舌を這わした。
「ん、んんぁ」
「声、もっと出しなよ」
「いっあ」
僕は首を振って、やめて、と繰り返した。
頬を涙が伝った。
怖くてしかたない。
僕は知らない。こんな先生、知らない。
「いや、だっ」
怖い。怖い。怖かった。僕は馬鹿みたいに首を振った。
すると、蓮見先生はハッとしたような顔をして、僕を抑えつけていた手を放した。
そしてバツの悪い顔をして「悪い」と一言漏らした。
その言葉があまりにも切なくて、僕は何も言えなかった。
「今日は家まで送る」
先生はそう言うと、僕のズボンと下着を拾って、くれた。
僕は首を振った。
家に送ってもらうのは避けたい。
「そうか、悪かった」
震えながら、先生はそれだけ言うと、保健室を後にいた。
一人ぼっちになった僕は、近くにあったトイレットペーパーで、白い液体を拭いた。
おしっこってこんなにも白くてねばついていたっけ?
――――あ!
僕は思い出した。これは、そう、これは、
え、ということは、俺、先生とエッチなことしたってこと?
僕は考えた。だけど、わからなかった。
教科書でしか、ついてない知識だから。
よく、わからない。
ただ一つわかることは……
[*前] | [次#]
目次に戻る→