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俺は話した。

此処で、急に車に詰められて、誘拐されたこと。そして、誘拐されたわけを知って協力しようと思うこと。

そして、何より、ミコトさんとケンシロウさんは悪気があったわけじゃないということを、俺は杉田とナオキと佐田先生に、話した。

事細かに話した。
誤解はされたくなかった。

すると、杉田は「そうんなことか」といつものように笑ってくれた。

ナオキは「また損なことしようとする」とぼやく。

佐田先生は「俺も行くよ?」と声をかけてくれた。


俺は嬉しかった。


いや、こんなことろでこんな気持ちは不謹慎だが、俺が言ったこと、全部信じてもらえることが、すごく幸せだった。
誰も、疑わない。
誰も、決めつけない。
伝わった。

俺の気持ち。

本当にあったこと。


ずっとこんな関係を望んでいたんだ。
俺。

信じてもらえる人の存在を。


よかった。
逃げなくて、よかった。


実は、
ちょっと、
聞いてて楽になりそうな嘘を言いかけたけど、
本当のことを言ってよかった。

よかった。


「ミコトさん、が、いてくれてよかったです」

俺はミコトさんの方を振り返ると、笑った。
ミコトさんは「俺に言うか?」と言ったが、俺は、頷いた。
だって、こんなことにもならないと、俺はこんなにも素敵な人がいることに気付かないままだったと思う。


「もちろん、杉田やナオキ、佐田先生も、ありがとう」

「「「今更!」」」

「俺は?」

「ケンシロウさんも」






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