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雪が降ってきた。
そんなことはどうでもよかった。

俺は今にも心が折れてしまいそうな気分で、土屋弟を待っていた。
とにかく合流しようという話になったんだ。
途中、電話に割り込んできたのは、佐田という人だったらしい。
どうして割り込んできたかなんてことはわからないが、佐田さんのおかげで、俺は今自分がすべきことは反省でも後悔でもなく、踏み出すことだと気がついた。


「杉田くん」

ちょっと間の抜けた声がして、俺は振り返った。
ぽあぽあした男の人が走ってくる。
俺は誰なんだろうと首をかしげた。が、すぐに佐田さんだと思った。

「え、どうしたんですか?」

俺は聞いた。

「僕も、香月くん探す」

「どうして…」

俺は疑問を口にした。
佐田さんは「ああ」と納得した顔をして、申し訳なさそうに笑う。

「実は、香月くん、僕の生徒だったんだ。あ、僕、中学教師」

頼りない担任だったと佐田さんはうつむいた。
俺は何か、励ましの言葉を考えたが、何も思いつかなかった。

そうして俺たちが沈黙していると「わりぃ」と言いながら、土屋弟が走ってきた。






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