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「!」

言葉は出なかった。
土屋らしき人が曲がった角を俺も追いかけて曲がったら、そこには土屋がいて、さっき俺がすれ違った、あの見覚えがあるような…な方がいた。

え?

パニックになって、声は出なかった。

俺は、ただ、そこに立ちつくしてしまった。

土屋が車に詰め込まれて、どこかへ連れて行かれて、そこで、ようやく、事の重大さを感じた。

まるで、ドラマのワンシーンみたいに現実味がなかったんだ。

足の力が抜けて、俺は、その場に倒れ込んだ。






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テーマ「推しとの恋」
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