56




「あ」

そうだそうだ。と、そう言いながら、真城は学生鞄の中を漁りだす。


そして「これ」と言ってお弁当箱を取り出した。


「ごちそうさまでした。いつもありがとう」

真城はにっこりと笑った。

鶴部は「べべべつに」と言ってうつむく。
顔が真っ赤だった。



「あ、俺、今日は用事があったわ」


俺は帰ることにした。
二人っきりにしてやりたいと思ったんや。

だって、鶴部は、真城のこと好きみたいやから。

え、ああ、真城は全くそんなこと気付いていないみたいやけど。

やけど、真城はいい奴だし、仮に、鶴部が告白しても、真城なら、上手いことやるって思うわ。


真城はそういう奴なんや。


軽やかになんでもかわすのが上手い。
さっきの弁当やって、絶対に計算に決まっとるわ。



ああ、絶対に鬼畜だぜ。







[*前] | [次#]
目次に戻る→


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -