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「あ」
そうだそうだ。と、そう言いながら、真城は学生鞄の中を漁りだす。
そして「これ」と言ってお弁当箱を取り出した。
「ごちそうさまでした。いつもありがとう」
真城はにっこりと笑った。
鶴部は「べべべつに」と言ってうつむく。
顔が真っ赤だった。
「あ、俺、今日は用事があったわ」
俺は帰ることにした。
二人っきりにしてやりたいと思ったんや。
だって、鶴部は、真城のこと好きみたいやから。
え、ああ、真城は全くそんなこと気付いていないみたいやけど。
やけど、真城はいい奴だし、仮に、鶴部が告白しても、真城なら、上手いことやるって思うわ。
真城はそういう奴なんや。
軽やかになんでもかわすのが上手い。
さっきの弁当やって、絶対に計算に決まっとるわ。
ああ、絶対に鬼畜だぜ。
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