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=ナオキside=


別に俺は兄さんからの電話とか、メールとか待っていないんだからなっ!


ちょっとツンデレぶってみたけど、正直落ち着かない。
待っているのに決まっているだろ。
電話もアドレスも変わっていないって伝えたんだ。

それに、俺は怒ってないって伝えたんだ。

なのになのに、一向に連絡は来ない。
兄さんのことだから、電話じゃないにしても、一言メールくらいくると思ったのに。
もう、嫌だ。
携帯ばかり気にしている自分が恥ずかしい。情けない。
時間がちっとも進んでいない。

これほど長く時を感じたのは兄さんがこの家を出て行った時以来だ。
慣れるまではそれはそれは苦痛のような日々。
もっと素直になっていたら、こんなことにはならなかったのかなって、いつも後悔ばかりしていた。


「もう、やめた」


俺はそう言って携帯をベットの上に投げた。






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