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=土屋side=


俺にできることはなんですか?
神様います?
いたら、教えて下さい。

どうしたらいいのですか?

暴力では何も解決しないことは知っています。いろんなものを壊してしまうだけだと俺は痛く知っています。

では、他にどんなことがいいのですか?

たとえば、大切な人が誰かに傷つけられていたら、どうしたらいいんですか?

俺にはわかりません。
俺には何も…

何もできない無力な自分が嫌です。
嫌です。
あまりにも無意味で。
君のためになれなくて。
こんな、こんな自分、嫌いです。


どうしてここにいるんですか?
何もできないのに、ここにいるんですか?

どうしてこんなにも俺は無力で、価値の無い人間なんでしょう。

ああ、それなのに、杉田が俺のことを真っすぐに見てくれると嬉しくて。
馬鹿みたい。
本当に、馬鹿だ。
馬鹿だとしか言えない馬鹿だ。
ベットの上に倒されて、俺の上には杉田がいて。切ないような、顔をしていて。
俺は降参することにした。
いや、違う。

認めようと思った。


「杉田…俺、好きだよ」

散々、否定してきたこと。
杉田は弟に似ているからとか、自分に嘘をついて、ごまかしてきた気持ち。

俺は杉田が好きだった。

本当は好きだったんだ。
はじめっから。






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