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さ、避けられている。
あたり前と言えばあたり前だ。

ていうか、あんなことされて、平気なつらされても俺が困るが。


「……った」

急に痛みが俺の脚に訪れた。


今は授業中。
俺の脚を踏んだ犯人は堂々としていた。
わざと、踏んだな、蓮見。

「どーした? 元気ない、じゃないか!」

蓮見の一字一句から滲み出る怒りがひしひしと俺に伝わってくる。

「菅野」

いつも笑っている蓮見からは考えられない険しい声。
何か、おかしい。蓮見。
まるで、俺を恨んでいるみたいじゃないか。
そりゃ、蓮見の授業中にぼーっとしていたのは悪かった。

だが、ここまで、足を踏まれるまで、俺は蓮見を怒らせたとは思わない。
だって、いつもはへらへら冗談めかして注意するだけじゃん。蓮見。

なのに、なのに、どうして?


「悩み事か?」

ギリッと、蓮見は俺の足を思いっきり再度踏んだ。
嘘笑顔が怖い。

「青春してんのかぁ?」

痛い痛い。
俺、蓮見に何かしたかな。

「くぁあ、若いっていいよね。でも」

さらにさらに蓮見は俺の足を踏む。
ついに我慢できなくなった俺は口を開いた。

「蓮見、俺、だるいから保健室に行くわ」

「菅野、それはサボり発言か? 俺の美術は受けられないとでも!?」

「……はぁ」

「なんだよ、その生返事!」

ついに蓮見は声を荒げて怒った。






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