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「に、しても、すっげぇなこれ」

杉田の部屋には、いくらするんだろうっていう絵が飾ってあったり、花瓶もある。


俺は飲み物を持ってくると言って杉田がいなくなった部屋で、一人、きょろきょろしていた。


なんだろうか、
急に、杉田が遠くに感じた。


どうしてなんだろうか、
何も、杉田は変わっていないのに。


「あれ?」

俺は部屋の端に伏せられた写真たてを見つけて、つい、手に取ろうとした。



そこで


「土屋」

と、杉田が部屋に帰ってきた。



俺はすぐさま何もなかったかのように、ごまかして、杉田が持ってきてくれたジュースに口をつけた。


それは俺が好きでよく飲んできた、オレンジジュースだった。


馬鹿らしい。

何が、別世界の人間みたいとか、思っていたのだろ。


「よかった、俺さ、それ、土屋好きそうだなって思ってたんだ」

気にいってもらえたみたいでよかったと、杉田は笑った。


かわらない。


ちょっと、
遠くに感じて、不安に思ったけど、
杉田は杉田だった。



そう、杉田は杉田なんだ。






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