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俺の弟のナオキが、
こんな昼間っから、商店街を歩いているだなんて、
意味がわからない。
あいつは真面目な奴だったのに。
どうしてなんだろう。
何か理由があるのだろうか?
それとも今日は学校が早く終わったのだろうか?
今更、俺がこんな心配をするのは間違っている。
間違っていると分かっているのに、
気になる。
だが、俺は、もう、干渉しないって決めたんだ。
ナオキの人生はナオキのものだ。
俺が一生、そこに入ってしまうのは間違っている。
そう、間違っていたんだ。
「…?」
俺は身を少し前のめりになる。
ナオキのとなりに誰かいる。
あれ?
ナオキの隣にいるのは、昔、俺が殴った奴だよな……
ああ、確か殴った。それで、問題になってしまったんだっけ。
でも、どうして今ここで一緒にいるんだろう。
あ、もしかして、また、ナオキ、絡まれているんじゃ…
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