27
商店街に来て思ったことは、昼間の商店街は、とても明るかったということだった。
俺は、制服のままだとか気にもせずに、商店街を歩く。
かすかに遠くからの目線を感じた。
そう、
高校生の俺がこんな時間にここを歩いているのはおかしいからね。
だけど、誰もが見ても、見ないふりをする。
それがちょっと辛かった。
「!」
商店街の中通までくると、そこには杉田の姿があった。
俺は嬉しくて、でも、どう声をかけるべきかと考えて、しばらくただ何も言わず、杉田を見ていた。
俺は、図書館以外での杉田をよくしらない。
学校以外で杉田の姿を見つけたのは、初めてだし…
だから、かな?
よくわかってしまった。
俺は―――
どんなにあがいても、
「あ…」
杉田が笑った。
杉田が、幸崎先生に、笑った。
杉田、
幸崎先生には俺とは違う、顔で話している。
それを悔しいと思う俺は、きっと、もう、ダメな子になってしまったのだろう。
「て、ナオキ?」
俺から見て、杉田の向こう側にある、たこ焼き屋さんの前で、
視線がとまる。
そこには、俺の弟の姿があったんだ。
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