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「とりあえず、商店街らへんに行けばいいと思うよ」


片倉先生はそう言った。

でも、俺は、どこからその根拠がでてくるのか、わからなかった。


だから「え?」と聞き返した。


すると、片倉先生は意味ありげに笑った。


「たぶん、杉田は幸崎と一緒だろうから」

「え。ですが…」

「大丈夫。俺に、幸崎のことを語らせたら、今、一番詳しいから」


「それって……」


どういう意味ですか?
と、聞こうとしたら、片倉先生は

「余計なことは気にせず、杉田を探しに行きなよ」

と、笑う。


俺は、それを、ちょっと、怖いなって、思った。

何もかも見透かしているかのようで…


いや、もう恐れても、俺の心の中は見られているような気もする。


けども…

どうしてか、ちょっとだけ……



それでもいいと思った。






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