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土屋は昨日、俺に言った。


先生は猫をかぶってないのですか、と。

ありのままの自分でいるんですか、と。


答えはわからなかった。


土屋が何故、そんなにも熱くなったのか。

今ならわかる気もした。

だけど、それは勝手な想像だってことも

今ならわかる気もした。



遠くで土屋が叫んでいる。

泣いている。


「どうして、二人が喧嘩してんだよ!」

辛そうな声がした。


だけど、俺にはこれだけはよく伝わってきた。

きっと比べるものではないのだろうけど、

杉田と土屋と呼ばれた中学生の方が、

何倍も辛そうな顔をしている。



ああ、二人とも、土屋のことが
本当に好きなんだ。


俺とは違って。

軽い気持ちじゃなくて、

本気で。



土屋じゃなきゃダメだってくらいに。






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