=土屋side=


「似てたんですよ…、杉田が俺の弟に」

4時間目の授業もほったらかしにして、俺と片倉先生は、パイプ椅子に腰をおろした。
もう、何もする気持ちにはなれなかった。
片倉先生はただ微笑んで、俺の話を聞いてくれた。
もうすでに知っていることだけど、昔の話。


……………

………

そう、
俺は弟かわいさのあまりに、弟に過保護になり過ぎていた。
そのせいで、俺の弟はいじめられるようになってしまった。

もちろん俺はそんないじめっこ達をタコ殴りにした。


弟が好きだった。

大切だった。


辛い思いをさせたくなかった。

だけど、俺の余計な干渉が、ずっと弟を苦しめるものになっていた。


それでも俺は悪くないと思っていた。
弟のためにできることをしているんだと。
両親みたいに見て見ぬふりなんてできなかった。
これが正しいのだと思っていた。


でも、違った。


………

……………






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