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「自分のやったことは認めますが、俺は反省も後悔もしてないです」
俺は幸崎先生にそう言って、ごめんなさいと頭を下げた。
そして、すかさず、相談室の窓ガラスをたたき割る。
鈍い音と高い音が混じり合う。破片が飛び散っていくのがとてもきれいだった。
清々しいと思った。
こうして全てのしがらみから俺は解放されたような気がして。
「杉田…」
「すみません」
俺は一言そう口に出すと、割れた窓ガラスに向かう。
そして、そのまま外へ飛び出した。
割れたガラスが肌に刺さったけども、そんなこと気にもならない。
後ろで幸崎先生が「馬鹿野郎」とか叫んでいるが、そんなこと気にもならない。
俺は、相談室を一階につくった人を馬鹿だと思った。
こんな小さな抵抗さえ怖いと思っている俺も馬鹿だと思った。
そして、これで、まずは第一歩だと思った。
俺はおとなしく土屋に、かばってもらう気なんてない。
俺は土屋の思い通りに、なってやらない。
離れていこう。
嫌われてもいい。
ただ、もう、そうやって、
誰かと、俺を一緒にしないでくれるなら。
いいや。
もう。いいや…
どうか、
君の世界の片隅に俺を置いてください。
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