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「正直、気になるんだが、友達だよな?」
どうしてこんなことに必死になるのか。
答えはもう出ている気がした。
俺、土屋が好きなのかもしれない。
男だとか関係なく、あの優しさに恋をしたのかもしれない。
いや、もう恋に落ちている。
★…☆★☆…☆★☆…★
「友達未満じゃないかな…俺と土屋って」
しばらくして、杉田は天井を見上げて悲しそうに言った。
「あんなにも一緒にいるのに?」
俺は首をかしげた。
土屋はさっき君のために駆け込んできたんじゃないんだろうか…
なのに、土屋とは友達未満って納得がいかない。
それに、あんなにも一緒にいるのに、だ。
あんな、あんな笑顔をむけられているのにだ。
おかしいだろう。それって。
だけど、杉田は淋しそうな顔をして、馬鹿らしいと一言口にした。
「土屋にとっての俺って…」
杉田はそこまでいいかけて、何も言わずにタバコを出す。
だけど、杉田は結局そのタバコに火をつけることはなかった。
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