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土屋が俺に求めているのは友情だから、
こんな気持ちは迷惑でしかなくて…


だから俺は「仲なおりのキス」だとか、ふざけて見せても
釈然としなかった。
冗談なんかでこんなこと、俺ができるわけ、がないのに。

なのに、土屋はただ「なんだよな」って言った。


「ふざけるのはいいけど、次はしないでよ!」
と、顔を真っ赤にして言った。
可愛いと思ってしまったのは仕方ないことだと思う。


「また、泣いたらするかもしれないので、泣かないでください」

俺はそう言って土屋の頭をぐちゃぐちゃになでて、笑った。
笑ったけど、ちゃんと笑えていたかなんてわからなかった。


キスしたことが許されたのは嬉しいことで、
土屋に離れて行かれないことはとても幸せなことで、

だけど、この空虚感はなんだって言うのだろう。


わからない。


ただ俺は何度も土屋の頭をなでた。

「泣くなよ?」


と、呟きながら。


迂闊にも泣きそうになっていたのは俺の方かもしれない。
なんと、情けない話だろうか。




……………

叶えたい夢は胸にしまって、
君とここにいられる今に感謝しよう。
これはとても大切なことなんだから。
こんな気持ちになるのは間違っている。
そう、おかしいんだ。






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