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=杉田side=


正直、今日は休みたいと思った。

学校にきて、喧嘩したとか噂が広がっているかと思うと耐えられない。
いや、そんなことなんてどうでもいい。

俺はただ土屋が俺を軽蔑した目で見るんじゃないかって。思って。

だけどさ、こんなことで休んでも不安だってことには変わりないと分かっているんだ。
俺は。

だから、いつも通り学校に登校した。
いつも通り…

図書室に向かう。

たぶん、土屋は授業中だからと安心して、
辞書置場に行くと、
そこには土屋がいた。

こっちをじっと見つめて「おはよう」と言ってくれた。
でも、その顔がかなり引きつっていた。

俺は授業はどうしたの、
とか聞くことさえ、できず、ただ、土屋の横に座る。


土屋は何も言わないし、何も聞いてはこなかった。



もしかしたら、
俺の喧嘩の話は学校にまではきていなかったのかなって考えて、
でも、昨日のことを聞いてこない土屋に淋しさを覚えた。

だって、だって、いつもここで俺たちは話し合っていたのに、昨日は俺が何も言わずにいなかったんだよ?

土屋にとっての俺ってそんなもの?

別に一日いなくても何とも思われない存在なのか?

そう思うと辛くなった。

それなら、いっそ、ひかれたほうがいいのかもしれない。

いや、こうして横にいられることがどれだけすごいことなのか、
俺は忘れたわけではないのに。


どうして、こんなにも納得いかないんだろう。

女々しい。






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