22
朝、目が覚めて思う。
どうして杉田は昨日はこなかったのかと。
俺のことが嫌いにでもなったのかなと。
だってそうだろう。
あいつの気持ちを踏みねじって一緒にいるんだよな。
俺って。
「…でも」
どうしたらいいのかわからない。
制服に着替えても学校に行く気持ちにもなれない。
いっそこのまま休んでしまおうかとさえ、思った。
のだが、
どうやら、俺は杉田に会いたかったらしい。
気がつくと、図書館の辞書スペースに向かっていた。
そこは朝の光さえも差し込まない、暗い場所だった。
こんなにも暗かったっけ?
そう、俺は疑問に思って、あたりを見渡した。
すると、ここの照明の少なさに気がついた。
どうして今までこんなことにも気がつかなかったのだろうか?
そう、思い返せば、杉田の笑顔しか出てこないとかいう病気にかかっていることが判明する。
「違うっ」
俺にとって杉田は大切な友達で、人懐っこく笑う、癒しだ。
あいつはどんなことがあっても俺のこと置いて行かないって思っていたのに…
信頼していたのかなって、馬鹿らしくなって、俺はいつも杉田が座っていた場所に腰をおろした。
ここで、杉田を待とう。
授業なんてもう、どうでもよかった。
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