21
街灯の下で、思い出すのは杉田の笑顔。
それがまた悲しかった。
自宅に帰ると「ただいま」と言いそうになって言葉を飲み込んだ。
誰もいないのに、呟いたりしたら余計に淋しくなるじゃないか。
もう、疲れた。
いろいろと疲れた。
なのに、
杉田の笑顔を優しさを思い出す。
なんで、こんなにも温かいのだろう。
なんで、こんなにも杉田に会いたいのだろう。
「馬鹿みてぇ…」
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