15




別に
ここで毎日会おうとか
そんな約束を交わしたわけじゃないし、
杉田にも杉田の都合があるだろう。

だけどさ、
一人っきりの辞書置場に腰をおろして思った。


俺、杉田がいないの、すごく淋しい。


さっきの話、すぐに杉田に会えば忘れられると思っていたのに。



頼みの綱がなくなったように感じて、
俺は、いつも杉田が座っている場所で丸くなった。

冷たかった。
より一層、淋しくなった。


でも、携帯を出すことはしなかった。

杉田から、電話番号もメアドも教えてもらっている。
だけど、連絡する理由も、会いたいという理由も、どこにもないことを俺自身知っていた。

求めて突き放されたら俺自身が耐えきれないことも、わかっていた。

だから、何もしない。

たまたま今日はいないだけだと思いたい。


そう、それでいいんだ。



泣くなよ。俺。

これじゃ、あの頃と変わらないじゃないか。

俺はもう、泣き虫じゃないんだ。
俺はもう、甘えない。


誰にも甘えない。


自分の足で立って、自分の意志で、生きていくんだって、決めたじゃないか。


なのに、どうして、こんなにも…
こんなにも…


ばかやろう、






[*前] | [次#]
目次に戻る→


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -